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どうも、インド映画は全然見たことが無かった夏夜風です
インドの踊りには興味がある夏猫だ
インド映画は元々あまり興味が無かったというか、いきなり踊るイメージが強くて、話についていけるか不安で避けてました。
でもアマゾンプライムで「明るい映画」とかないかなーと探してたら…面白そうなインド映画を見つけて。
その作品が「ピザ!」でした。
私の中にあったインド映画のイメージとは全然違って、最後までじっくり楽しめました。
インドのスラムに住んでいる兄弟が、初めて見るピザを食べるために頑張る…というお話なんですが、明るく描かれているから苦しくなることはありません。
ただ、インドの社会問題とか貧富の差についても描かれている感じで、辛くなるシーンはありました。
それでも最後は微笑ましく終わってくれるから、インド映画が苦手な人にも、暗い映画が苦手な人にもおすすめ出来ます!
今回はネタバレ無しと有りで語っていきます!
~作品紹介~
<公開日>
●2014年
<監督>
●M・マニカンダン
<キャスト>
●ヴィグネーシュ (兄役)
●ラメーシュ (弟役)
●アイシュワリア (兄弟の母親役)
…他
《微笑ましい度》
★★★★星4
《考えさせられる度》
★★★★星4
《おすすめ度》
★★★★星4
~あらすじ~
インドのスラムで暮らす兄弟は毎日働いていました。そんな2人が暮らす場所の近くにピザ屋が出来たのです。
見たこともない魅力的なその食べ物に兄弟は一気に惹かれます。しかしピザは高額で簡単には食べられません。
それでも諦めたくない兄弟は試行錯誤して300ルピーを集めようとしますが…待ち受ける困難に戸惑います…。
「ピザ!」の注目ポイント
- 兄弟と優しいストーリーが微笑ましい
- インドのスラムと登場人物のリアル感
- 格差社会の辛さを感じる
この後、注目ポイントについて詳しく語ってくぞ
- 子供が頑張る映画が見たい人
- 笑えるけど真剣なテーマを感じたい人
- 最後は微笑ましく終わりたい人
登場人物
スラムに住む元気な兄弟。兄は「大きなカラスの卵」弟は「小さなカラスの卵」と、自らを名乗ります。
そんな2人はピザを食べたいと願いますが、貧しいため母に買ってもらうことが出来ません。
そこで兄弟は自分達の力でピザを買うことを決めます。しかし、色々な困難が待ち受けており、思う通りにはいきません…。
兄弟と一緒に暮らしている母は、厳しく優しい女性。生活のために働き、兄弟を育てます。
3人と一緒に暮らす祖母は、穏やかに兄弟を見守ります。ピザが食べたいと言う2人のために材料を用意し、頑張って手作りしてくれる優しさが。
この作品は個性のある登場人物が多くて、私がとくに好きなのが「ニンジン」と名乗る男性。兄弟と仲が良く、不思議な魅力をもった人です。
他にもスラムに住む子供たちや、裕福な子、ピザ屋を経営する男性、ずる賢い男性2人…など個性豊かな登場人物が出てきます。
ネタバレ無しの感想
私の中のインド映画というといきなり音楽が流れて踊り出すというイメージが強い…。
しかし「ピザ!」に関しては全くそういうシーンは無く、私みたいにインド映画を見たことが無い人、もしくは苦手意識がある人でも、途中で離脱することなく最後まで見られると思います。
それに、スラムの少年2人のお話だけど、暗いシーンがほとんど無くて「見ていて辛い…」ということもない。
もちろん、明らかな貧富の差を感じる所はあるし、大人の勝手さに少しモヤモヤすることもあるけど…。
でもこれは、少年達の成長の物語なんだと思います。(個人的な感想)
兄弟にとって辛い事がいくつか起きるんですが、それを乗り越えて2人は少しづつ成長していくんです。
大きな変化は無いかもしれないけど、成長を感じるシーンがあるんですよね
それと、大人の手を借りずに行動できる勇敢さと、無謀なことを簡単にやってしまう子供の幼さが同時に感じられて、子供の頃を思い出す人もいるのかな…とも。
内容のあらすじを見ただけだと簡単な内容に思えるかもしれませんが、インドの社会問題というか…貧富の差とか、大人の身勝手さも織り込まれているから、色々考えさせられたり…。
映画の中で、兄弟がお金持ちの子供と仲良く話しているシーンが何度かあるんですけど、全てフェンス越しなんです。
兄弟があちら側に行かないし(行けない?)、お金持ちの子供も2人側に行くことがないんです。
これが、インドの貧富の差を凄く表しているようにも思えるし、でも実際はどんな子供でも気が合えば仲良くなれるっていうことなのかな…とも…。
ネタバレ有りの感想
ここからはネタバレを含んだ感想を語っていきます。ご注意を!
優しいストーリーと兄弟の存在が微笑ましい
全体的に笑える映画で、見終わった後はなんとなくこっちが救われたような気持になる作品でした。
兄弟が可愛らしいのと、とくに弟の笑顔が世界を救うんじゃないかってくらい可愛い…(個人的感想)
まだ幼い弟は、余計なことを言いそうになったりもするけど、そんな弟を見捨てず「一緒にピザを食べよう!」と頑張るお兄ちゃんが素敵でした。
お兄ちゃんはちょっとずる賢い感じ。でも、電車に乗る人のスマホを叩き落そうとした時は寸前で踏みとどまるんです。
根が良い子だから、悪いことは出来ないんだな
悪い大人もいっぱい出てくるけど、全体的にストーリーは優しい。その中で少し辛い状況もあるかな…という感じ。
兄弟がせっかくピザ屋に入ろうとしたのに大人に叩かれて追い出されるし、大切な人を亡してしまうし…。
でも、それは兄弟(とくに兄)が乗り越えるべき壁なのかな…と思えます。
「悪」と「善」がはっきりしてる
あとやっぱり児童映画なんだな…と思った理由が「悪い存在」と「良い存在」がはっきりしてるように思えること。
「良い存在」は、母と祖母、そしてニンジンというおじさん。
そして「悪い人」が、ピザ屋の経営者達やチンピラ。
大人向けの映画って悪い事をする人であっても、その人なりの理由とかあるじゃないですか。その理由を見ると、憎めない…みたいな。
でも「ピザ!」では、それが無くて、経営者達はお金にしか興味無さそうだし、チンピラもそう。
あえて悪い人達の詳しい背景は見せないから、この映画でのしっかりとした「悪」になるんだと思うんです。
それが個人的には良いなと。悪い大人たちが振り回されるのって、きっと子供も好きだし私も好き。(笑)
善悪がはっきりしている方が、子供も分かりやすいですもんね。
スラムと登場人物がリアル
兄弟と家族が暮らす場所は住所も無く社会に見放された地区なんですけど…それが凄くリアルでした。
それもそのはずで、この映画では本物のスラムを利用しているらしいんです。実際に、そこに住んでいる人たちがいるってことなんですよね。
でもそれを考えると、やっぱり辛いですよね。ちゃんとした家とは言えない場所で寝て食べて暮らしている人がいるわけで。
やっぱりシビアな側面も感じられる作品ですね…
あと、兄弟役を演じた2人も実際にスラムで暮らす子達みたいです。(暮らしてたのかな?)
だからこそ、リアル感が凄いのかな…と。
祖母役の女性も、ほとんど演技の経験が無いらしいのですが、自然体で孫を見守る優しいおばあちゃんというのが伝わりました。
格差社会について訴えかけている
この映画では格差のある社会を明るく扱っているんですが、それでも見た人にこの問題を訴えかけている気もします。
トラウマが残るような内容で問題を提起しているわけじゃないからこそ、色々な人が考えさせられるのかもしれません。
裕福に暮らす大人や子供たちにとっても、スラムの生活を知ったり考えたりするきっかけになると思うので、こういう作品は大切なのかもしれませんね。
あと、お金持ちの子供がフェンス越しに「残しておいた」と、食べ残しのピザを兄弟に渡そうとするシーンでは、ちょっと子供の素直な残酷さがあったな…と。
純粋に「食べさせてあげよう!」と思っただけだと思うんですけど、ここでも生活の差が感じられますよね。
映画の最後の方で、兄弟が暮らすスラムを紹介していたテレビの人達もちょっと酷いです…。
「社会から見放され、400世帯が暮らす地区です。600人以上の子供が定収入のない親と生活します。」
省略
「多くの希望や夢がここに眠っているのです。」
引用:「ピザ!」より
↑こんな風にナレーターに言わせておいて、兄弟がカメラの前を通ろうとすると厄介そうに2人を後ろから行かせるんです。
子供が叩かれたこともスラムの現状も、金儲けの道具だと思ってるんだな…って辛くなるんだ
何気ないシーンなんだけど、悲しくなりました…汗
まとめ<貧富の差が辛いけどほっこり出来るインド映画>
色々書きましたが、最後まで兄弟の可愛らしさにほっこり出来て満足でした!
最後は「そうなんだ!?」って笑える感じで(笑)
明らかな貧富の差が辛く感じるシーンもありましたが、全体的にほっこりしたり笑えて楽しめる作品です。
他のインド映画も見てみようかな…とちょっと気になっています(笑)
それでは今回はこの辺で!最後までご覧いただきありがとうございました!