引用:映画配給会社 ロングライド Facebook
どうも、アフリカのことがよく分からない夏夜風です
アフリカにも猫居るかな?
前に鑑賞したものの記事にするか悩んでいた映画を、今回は書いていこうと思います。
「風をつかまえた少年」
アフリカの最貧困のマラウイで暮らす少年の実話なのですが、とても辛いシーンが多く、思いがけず私にとって挑戦した作品になりました。
当時14歳だったウィリアムが住むマラウイを大干ばつが襲い、長い飢饉が続きます。
大干ばつ、同時多発テロなどが起こり国は大混乱。支援も無く盗みが横行し、人が亡くなっていく。
そんな中、14歳のウィリアムが人々を救うため風車を利用し、畑に水を引くことを思いつきます。
暗い話や辛いシーンが続きますが、最後はとても感動出来る作品なのでおすすめです。
微妙にネタバレを含んでいるのでご注意ください…!
~作品紹介~
<公開日>
●2019年8月2日
<監督>
<キャスト>
●マックスウェル・シンバ (ウィリアム 役)
●アイサ・マイガ (母・アグネス 役)
●キウェテル・イジョフォー (父・トライウェル 役)
●リリー・バンダ (姉・アニー 役)
…他
《辛い現実と向き合う度》
★★★★★星5
《最後は感動する度》
★★★★星4
《おすすめ度》
★★★★星4
~あらすじ~
14歳のウィリアムは優しい家族と仲良く暮らし、学校へ行き勉強していました。しかし、2001年に彼が住むマラウイを大干ばつが襲います。
政府からのまともな支援はなく、人々は飢饉に苦しみます。そして学費が払えないことでウィリアムは学校に行けず、図書館で勉強をすることに。
そこで出会った1冊の本が、彼や人々の人生を変えることになりました。
「風をつかまえた少年」の注目ポイント
- 大切に想い合いあう家族
- 少年の真っ直ぐな思い
- 残酷な現実と奇跡
この後、注目ポイントについて詳しく語ってくぞ
- 実話の作品が好きな人
- 奇跡を見届けたい人
- 心に刺さる映画を見たい人
登場人物
ウィリアムには父、母、姉、そして赤ちゃんの妹がいます。
お互いを想い合って過ごしていましたが、飢饉に苦しむようになってから争いが多くなります。
姉のアニーはウィリアムの学校の教師と交際していますが、色々なことが重なり、順調に物事が進んできません…。
ストーリーの感想
とにかく思っていたより、内容が重ためでした…!
「これ最後まで見れるかな?」と少し不安にはなったんですが、引き込まれるストーリーと、どんなふうに風車を作ったのかも気になったので最後まで見ました。
割と最後の方まで厳しい現実が映し出されていたし、救われない人もたくさんいて、辛かったです。
そんな中、家族を想い合う気持ちやウィリアムの真っ直ぐな気持ちが、救いでした。
苦しい中でも想い合う家族
母も父も姉も、とても優しくて家族を大事に思っているんです。
それぞれの役割があるから、それを全うして日々を暮らしていたんですが…。
飢饉によって苦しみ始めてから、争いが多くなるんです。
みんな余裕が無くなるから感情的に思いをぶつけてしまって、お互いに傷ついてしまうんですね。
ずっと穏やかだった母が父に対して強く当たってしまう時や、優しい父がウィリアムに対して怒鳴りつけることもありました。
それだけ切羽詰まった状況だったってことだよな
姉も自暴自棄的に言葉を発した時もありました。
しかし、そんな時に母が強く𠮟りながらも「あなたが飢えで苦しんでいたら、私の腕を食べさせる」という風に言っていたのが、すごく印象に残りました。
父は、本当に少ししかない食料を皆に与えて、自分は食べないことも…。
姉のアニーは、大学に行きたい気持ちや恋人への気持ちなど、複雑な心境を抱きながら、家族を想って行動していたり。
そして、ウィリアムはまわりに変な目で見られても、父に怒鳴られても諦めずに行動し奇跡を起こします。
苦しくて余裕が無くなり争いが多くなっても、根本的な部分ではお互いを思いやる気持ちがあって、見ているこちらも救われました。
とくに、ウィリアムの真っ直ぐな気持ちがぶれないでいてくれて、良かったです。
ウィリアムの真っ直ぐな思い
どんなに苦しいことがあっても、学びへの姿勢や風車を作る事への思いがぶれないのは、色々考えさせられました。
彼らは学びたくても学べない、そして食べたいけど食べられない状況にいて、それが当たり前になりかけていたんですよね。
いまだに雨乞いをしている父でしたが、この苦境を乗り越える現実的な手段を選んだウィリアムは素晴らしいと思います。
まわりからなかなか理解されないし「こんな時に何をしているんだ」と言われたり、風車を「オモチャか?」と言われることも。
だけど、ウィリアムにとって風車は人を救うためのものだし、真剣に取り組んでいるから「オモチャじゃない!」と強く否定するんです。
とにかく諦めないし、くじけないんです。
これは「学びの強さ」でもあるし「学びの大切さ」だなと思います。
ウィリアムは勉強する機会を奪われて独学で学んでいたけど、学ぶ環境がもっと整っていたら、もっと早く人々を救えたかも…と考えると辛いですね。
だけど、彼の強い思いが結果的に過酷な現実を変えていくんです。
残酷で過酷な現実に起こった奇跡
大干ばつが起きた頃、同時多発テロによって世界が大混乱に陥り、政府からの支援がまともに受けられませんでした。
国にそれを訴えかけた村長は暴行され、口封じされてしまいます。
その後、やっと食料が届いたと思っても少ない量のため、受け取れる人が限られてしまいました。
このように、とにかく残酷で過酷な日々が続くんです。
食料がないし、お金もないから盗みが横行したり、人々や動物が亡くなるんです。
暴行されてるシーンとか、亡くなるシーンは見ていて本当に辛かった
しかし、ウィリアムの強い思いによってその現状が変わっていくんです。
人々が突き動かされ、最後は奇跡が起こります。
正直、そこに至るまでが長く感じて辛さが増すんですが…。
見ているこちらも「奇跡を起こしてくれる」と信じてみていました。
最後は本当に感動と安堵。そして、とても勇気をもらえました。
まとめ<自分も彼のようになれるだろうか>
ウィリアムが風力発電装置を作るのにはかなりの時間と努力が必要でした。
風車を作るために、家業を手伝いながらごみ捨て場で風車の部品を入手していました。
この間、人々に色々な噂をされていたそうです。母親からも不審な目で見られてしまっていたよう。
それでも彼は負けず、風車を作ることを頑張ったんですね。
私はとても恵まれた環境にいて「いつか誰かがやるだろう」と、何でも受け身の姿勢でいますが…
もし、危機的状況になった時に「自分も彼のように行動できるだろうか」と考えたら、自信がありません…。
それでも、苦しい時や辛い時は、ウィリアムを思い出して自分に出来ることをやっていきたいです。
そして学ぶことの大事さを訴えかけられたような映画でした。
気を楽にして見ることは難しい作品ですが、多方面から訴えかけられるような感覚になるので、気になった方は見てみてください。
それでは今回はこの辺で。最後までご覧いただきありがとうございました!
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