どうも、プールで遊びたい夏夜風です
水は苦手な夏猫だ
今回は2009年に公開された「プール」という作品について色々語ってみます。
「かもめ食堂」「めがね」といったほのぼの映画が好きで同じような作品を探してたんですけど、そこで見つけたのが「プール」なんです。
見てみたら、かもめ食堂やめがねとは違って、意外と暗めの内容というか…親子の問題も描かれてる感じだから「ゆったり」「ほのぼの」というわけではなかった印象。
でも、全体的に暗い内容が続くとか見ていて辛くなるわけでは無いから、安心して見られます。
舞台はタイのチェンマイ。自由な母とそんな母に不満を抱く娘が一緒に過ごした6日間のお話です。
今回は、この映画を見た感想と好きな理由をダラダラと(笑)語っていこうと思います。
~作品紹介~
<公開日>
●2009年9月12日
<監督>
●大森美香
<原作者>
<キャスト>
●小林聡美 (京子役)
●伽奈 (さよ役)
●加瀬亮 (市尾役)
●シッテイチャイ・コンピラ (ビー役)
●もたいまさこ (菊子役)
《落ち着く度》
★★★★星4
《おすすめ度》
★★★星3
~あらすじ~
タイ・チェンマイのゲストハウスで働く母・京子の元へ訪れたさよ。
さよは自分を置いてタイで暮らす母に複雑な気持ちを抱いており、ゲストハウスで関わる人達ともなかなか馴染めません。
しかしそんな彼女も、きれいな風景の中で優しい人達と過ごしていくうちに、少しづつ心を開いていきます…。
「プール」の注目ポイント
- ぎこちない親子の関係と愛
- 音楽や風景、時間の流れが優しい
- バランスや距離感が良いストーリー
- 最後のシーン
この後、注目ポイントについて詳しく語ってくぞ
- 優しいストーリーが好きな人
- きれいな風景が好きな人
- 海外の町並みを見たい人
登場人物
大学卒業を控えたタイミングで、母がいるタイ・チェンマイへ訪れたさよ。
母が働くゲストハウスで宿泊するのですが、知らない人や少年と仲良くしている母を見て、戸惑います。
母や少年のビーたちと上手く関われずに悩みます。
市尾はゲストハウスで働く男性。さよにも穏やかに接して、一生懸命ビーの母親を探す優しい人。
ビーは、タイの少年。少しだけ日本語が話せます。無邪気だけど空気を読むような、大人な面も。
ゲストハウスのオーナーをしている菊子。色々な動物を育てており、みんなに優しく接します。残り少ない人生を、チェンマイで穏やかに過ごしています。
ストーリーの感想と、この作品が好きな理由
この映画は「かもめ食堂」や「めがね」のスタッフが再び集結しています。
そういったこともあって二つの映画と似た作品だと思って見ると、ちょっとだけ「あれ?雰囲気が違うな…」ってなると思います。
ゆっくりとした時間の流れとか優しくてマイペースな人達とか…そういうのは一緒なんですけど、ほのぼのだけじゃないんですよね。
この作品は親子の確執というか、親子の問題がテーマとしてあるのかなと。そういうメッセージ性があるんだと思います。
ストーリーとか雰囲気は暗くないしゆったりとしてるんだけど、それぞれが抱える問題とか悩みがたまに出てくるんです。
穏やかな時間とシリアスな時間のバランスが良くて、退屈にはならないかな?と個人的に思います。
下記でこの作品が好きな理由と感想を語っていきます。
人も音楽も風景も、時間の流れすらも優しい
舞台がタイのチェンマイという所なんですけど、出てくる風景がとにかくキレイで癒されるんです。
ゲストハウスも素敵で宿泊したくなるくらいだ
登場人物も良い人達で嫌な人が出てこないから、ビクビクする必要もありません。
それだけじゃなく、時間の流れすらも穏やかで優しく思えてきます。
風景がキレイだからとか、生活が豊かだから、というわけじゃなくて京子や菊子、市尾が心のゆとりがあるからなのかな…と思います。
こういう部分はかもめ食堂やめがねとの共通点な気がしますね。
あと、個人的に好きなのが音楽。
京子が弾き語りで歌っているシーンや、さよとビーと京子が一緒に歌ってるシーンが凄く好きなんです。
京子演じる小林聡美さんの歌声も優しくて、悲しい時に聞くとついジーンとします…。
さよとビー、そして京子の3人で歌うシーンも凄く癒されるし、優しい時間が流れてる感じがしてお気に入りです。
この映画を見ていると、ゆっくりと落ち着いた時間を過ごすことが出来るから、それも好きな理由です。
ぜひ…ぜひ歌のシーンだけでも見てほしい…でもストーリーも見てほしい…
すれ違う親子の愛(若干ネタバレ)
京子は、4年前にさよを祖母に預けてタイで暮らしはじめました。
どうして自分を置いていったのか、なぜ連れて行ってくれなかったのか。
そんな不満やわだかまり、寂しさがさよを苦しめます。
自分は寂しい思いをしているのに、母は知らない場所で知らない人たちと仲良くして、知らない少年のお世話もしている…ということに彼女は困惑するんです。
そういうこともあり、最初さよはゲストハウスの人達や少年のビーと馴染めませんでした。
でも、母である京子はそのことを気にしてないというか、無頓着のように思えるんです。
そんな京子の姿が冷たいように思えて、私的に「ちょっと寂しいなぁ」とは思ってたんです。
だけど、別に無頓着でも愛情がないわけでも無くて、さよのことを理解して優しく見守ってたんですね。
京子のさよを見る感じとか話しかける感じが母親そのものという印象で、決して愛してないわけじゃないんだなと思えるんです。
さよが京子に自分の思っていることを話すシーンはとくに、京子の母としての愛を感じました。
さよ「ほっとかれた私の気持ち考えたことある?不良になってたっておかしくないんだよ?」
(省略)
京子「そうならないことは分かる。だってあたしはあなたを知ってるから。」
引用:「プール」より
これを見た時、京子は自由人で自分の感情に従って生きているけど何も考えてないわけではなくて、色々考えた上で動いているのかな…という印象に変わりました。
この会話のあと、さよが本音を言って京子が「そうか…」って優しく言っているんですけど、そのシーンが何故か好きなんですよね。
このシーンを見ると、気持ちがじわーって温かくなるんだ
京子はもしかしたら、母親としては素晴らしい人ではないかもしれないけど、彼女なりに考えて彼女なりに子供に愛情を注いでいるのかもしれません。
この後、2人の距離感が凄く近くなったわけではないけど、さよが京子に感じてた苦手意識というか壁が無くなったようにも思えます。
程よくメッセージを伝えるストーリーが良い
「プール」は、落ち込んでる人を励ますとか、応援するとか、勇気を与えるような映画じゃないんですよね。
程よい距離感で、見ている人にメッセージを伝えているような映画なのかな?と個人的に思います。
伝えたいこととかこの映画を見るうえで大事なことを「なんとなく感じ取ってね~」くらいのスタンスかなと(笑)
誰かの考えを否定したり肯定したりしないで「それでいいんじゃない?」って見守ってる感じもあるんですよね。
押し付けないメッセージ性が良いというか。
「分かる人は分かって~、でも分からない人は無理しないでね」みたいな(笑)
これが心地良いんです。悲しい時とか落ち込んでる時に見ると、寄り添ってもらえてる感じがして、安心できます。
最後のシーンが好き(ネタバレ)
これは完全にネタバレになるんですが、大丈夫な人や映画を見た人は良ければ読んでくれると嬉しいです(笑)
さよが帰る日、市尾が運転する車に京子とさよが乗って空港に向かっていました。
さよがふと外の町を見ていたら、プールサイドの椅子で横になっていたはずの菊子がいるんです。
京子は「菊子さんって心が一人歩きするタイプだから」と言うんですが…
これは、病気の菊子があそこで亡くなっていて、あの世にいく前に町を回っていた…?ということなのかな…と。
さよが遠くから菊子にお別れの挨拶をして、横なっていた菊子が起き上がって手を振るんですけど、彼女だったら車に乗る彼女をちゃんと見送るんじゃないのかな…とも思って。
だから、あの時はすでに亡くなっていたのかも…?と、思って。
純粋に、本当に心が一人歩きしてただけかもですが汗
それと空港に向かう時に僧侶の行列(?)の中を、さよ達が乗る車が走っていたんですが、その風景を見て京子が「きれいだね」って言うんです。
それに対して、さよは「うん」と優しく答える。
このシーンを見て、2人の感性が似てるってことなんだろうなーとぼんやり思いました。
最初に2人の中にあった壁が崩れて、親子として寄り添っているの感じがしました。
この最後の二つのシーンが何故か好きなんです。
まとめ<言葉に出来ないけど「プール」が好き>
この映画が好きな理由と感想を語っていきました。
言葉に出来ないし、自分でもよく分からないけどこの作品が好きなんです。
多分、私と「プール」の相性が良いのかな?とも思うんですが(笑)
色々書いては見たんですけど、上手く言葉に出来なくて悩みながら語ってみました…。
ダラダラ色々語ったけど、とりあえずプールが好きなんです…(。´・ω・)
そんな感じで今回は終わろうと思います(笑)最後までご覧いただきありがとうございました!